高校三年の一二月、Q君は、その秋の担任との面談を思い出していた。「国立大学は受けてください。君のご家族も国立出身でしょ。私大では、もったいないよ」高校の担任はQ君にそういった……。「どうしても国立大学を受験しなきゃいけないのかなあ……。センター試験がなければ、国語も社会も勉強しなくてすむ。そうすれば、必要な科目にもっと時間がとれるのに……」二学期の期末試験が終わり、間近に控えた冬休みが待ち遠しい時期のことだった。大学受験を控えた三年生が机を並べる教室で、Q君はそう考えた。ため息が出た。Q君は以前から、私立のK大学の理工学部を受験する予定だった。国立大学を受験するつもりはまったくなかったのだが口には出せないでいた。担任の言葉が絶対に感じられたからだ。Q君が通っていた高校は、注目されてきた新設の進学校だった。高校入学時から徹底的な受験対策シフトをしいている。有名大学進学率も、年々、高くなっていた。授業中はピリピリした雰囲気が漂い、みんなが真剣に勉強していた。もちろん、予習や復習は必須で定期的に小テストも実施されていた。
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