大学を選ぶ、学部を選ぶについては、通常は親子、兄弟等の家族との話し合いからスタートすることが多いと思います。なかには、学校の先生や予備校の先生、あるいは家庭教師の先生などに相談する人もいるでしょう。しかし、大学進学となると、多額の学資を必要としますから、まず親と相談するのが常識でしょう。そこで、申し上げたいことは、「親の意見は半分にしなさい」ということです。一流大学へ入学するための勉強の方法はいろいろあると思います。要はその人の個性に応じて受験勉強をすることが大切だと思います。家庭教師を付けて勉強することも、予備校へ通って勉強することも、通信教育で勉強することも、ラジオの受験講座で一人で勉強することも、どれも良い悪いと言えません。
受験生の保護者からは「漢字練習を嫌がってまったくいうことを聞かない」「注意すると反抗して勉強にならない」と嘆く声を耳にしますが、こういう子供にかぎって低学年期の地道な漢字練習をおこたっています。受験勉強に突入すれば筆順や画数などを確認している時間はありません。また子供も親も焦燥感にかられ、このような作業に取り組む精神的な余裕もなくなります。得点効率が悪く、面倒で単調な反面、知識の裾野を広げるような勉強は小学校四年生までに完了しておくべきで、これも受験勉強への実質的な参入資格といえるでしょう。なお小学校四年生までは「漢字書き取りの学習方法」で記したような練習→テスト→採点という方式は避けるべきです。子供に「テストで○を取ること」を課すと作業が乱雑になりますし、単一目的の勉強では筆順、部首、画数、読み、送りがな、関連熟語といった付随項目が勉強できません。
近年、教育学者や心理学者がいろいろな形で、子どもにとって好ましい勉強法を提言しています。こうした人たちの多くは、教育法に関するさまざまな仮説をたてていますが、その多くは個性を尊重し、創造性や自主性を重視したり表現力を高めたりする教育が必要だと主張しています。こうした理論に基づいた教育をしたほうがよいと考えて、各国ともそれを実行してきました。とりわけ、アメリカやイギリスなどは学者たちの意見を聞いて、大胆な教育改革に乗り出しました。古くは一九六〇年代から始まっていますから、相応の実績があって当然です。しかし、残念ながら、学力はそれほど伸びなかったのです。もちろん、一部には天才のような人が出たのかもしれませんが、目に見える成果が得られなかったどころか、むしろ一般の子どもたちの深刻な学力低下が明らかになったために、方法を変える動きが出てきました。その結果、日本の教育法が注目されたのです。
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